聴力検査の方法・コツ

聴覚検査の実際


聴覚検査のやり方・結果の読み取り方についてわかりやすく書いてあるのでおすすめです。
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・聴力検査(聴覚検査)ってわかりにくい。
・学生同士など健聴者に対しては練習したけど、実際に難聴のある方に対して検査をするのは心配。
・実習先が耳鼻科だけど、何を勉強していけばいいんだろう?

そんな悩みを少しでも解消するために、聴力検査についてまとめてみました。

純音聴力検査

聴力検査の基本。他の検査がわからなくても、これだけは理解しておくといいです。
各周波数の気導・骨導閾値を測定することができ、オージオグラムに記載することで聴力の全体像がわかります。

stroopバナー聴覚検査
情報収集
聞こえの状態について、聞こえにくさや普段と違うことはあるかなどの情報収集をしましょう。
検査をする際に参考になったり、結果の予想ができたりします。

検査の説明
まずは何の検査か、どうすればいいのかを説明しましょう。
難聴の場合、ヘッドホンをつけてしまうと検査者の声が聞こえにくくなるので、つける前に説明を!
この時、自分の声の大きさで、難聴かどうかある程度見当をつけると良いです。
高齢の方は、理解が難しいこともあるので丁寧に説明しましょう。
・音が聞こえたらボタンを押す(小さくても聴こえたらすぐ)
・音の高さは変わる
・音が消えたらボタンをはなす
・骨導の場合、検査している方から音が聞こえたらボタンを押す
というようなことをわかりやすく伝えましょう。

ヘッドホンのつけ方
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気導
ヘッドホンの中心が外耳道の入り口にくるようにつけます。
他の検査もですが、これが実は結構大切です。必ず検査する人がつけましょう。
赤が右、青が左です。
ずれていると結果が変わってしまいます。(特に低音の閾値が上昇しやすい)
左右差がある場合は良聴耳から検査します。(マスキングの大きさを決めるため)

骨導
マスキング用のヘッドホン・骨導端子を装着します。
骨導端子は乳突部に、耳介に当たらないようにつけます。
耳介に当たっていると閾値が下がってしまいます。(外耳道閉鎖効果)

検査方法
気導(1000→2000→4000→8000→1000→500→250→125Hzの順)の後に
骨導(1000→2000→4000→1000→500→250Hzの順)に検査をします。
750Hz、3000Hz、6000Hzなどは必要に応じて検査します。
 例えば、4000Hzの閾値が10dB、8000Hzが80dBの時、6000Hzがわかったほうがいいなぁ…とか。

★ちょっとコツ★ (注)テストとか国試では答えないで!
その1
音を大きくしていくときに、絶対に聴こえない大きさから始めて、1つの大きさは2秒くらいずつ呈示ってなっています。
でも、例えば閾値が50dBの人に0dBから始めて2秒ずつ呈示していたら、音が聞こえるまでに10秒くらいかかります。
患者さんは、病院で検査をするっていうだけで緊張するものです。
そんな時に、小さい音を聞き逃さないように集中してと言われて、いつ音が聞こえるんだろう・・・と思いながら10秒ってすごく長く感じるんです。
なので、長時間検査をしているうちに疲れてしまいます。

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聴覚系を覚えよう検査

耳の解剖など、10個のカテゴリーの問題が入っています。
そんな時・・・

まず1回目は、サ〜っと?適当に?音を大きくします。
この時、ボタンを押すタイミングで大体の閾値の目安をつけます。
そうしたら今度は、目安をつけた大きさより10dBくらい小さい音から2秒くらいずつ呈示していくと、検査がスムーズに進み、被験者の負担も少なくてすみます。


その2
次のHzに変える時は、必ず音が出ないようにしましょう。
検査していたHzの閾値が80dBでも、次のHzでは10dBかもしれないです。
それなのに80dBのまま次の音を出してしまったら、いきなりものすごく大きな音が聞こえることになるので注意です。

その3
検査の結果難聴だったら、被験者に自覚症状等を聞き確認する。

例1)低音部の閾値上昇
・低い音が聞こえにくいことはあるか?
・音がこもって聞こえるか?
     ↓
自覚症状がないなら、ヘッドホンは正しくついているか確認。

例2)4000Hzの閾値上昇(C5ディップ)
大きな音を聞くような環境にいたことがあるか?
     ↓
あれば騒音性難聴だと確認ができる。

マスキング
聴力検査を行う人のための
図解 実用的マスキングの手引き



マスキングの考え方について具体例を入れながらわかりやすく解説してあり、練習問題もあります。
基本的な考え方は、音が反対の耳に聞こえないようにすることです。
ノイズを流すことで非検耳に音が伝わることを防ぎます。
ここで大切なのが、両耳間移行減衰量(気導:50〜60dB、骨導:0〜5dB)です。ここでは、気導:50dB、骨導:60dBとして考えます。
つまり気導の場合は、検査している方の耳に、検査していない方の耳の閾値より50dB以上大きな音を聞かせていると音が伝わって聞こえてしまう(陰影聴取)ということです。
骨導の場合は、ほとんど大きさが変わることなく反対の耳に聞こえてしまいます。
マスキングが必要なのは、
・左右差が大きい場合(40dB以上くらい)
・骨導検査の場合
です。

マスキングについて詳しくはこちらへ
ここのサイトでも、マスキングについて説明してありました。

ティンパノメトリー

耳鼻咽喉科疾患ビジュアルブック
 耳鼻咽喉科疾患ビジュアルブック

カラー写真・イラスト入りでわかりやすいです。
1つ1つの疾患について、原因、病態、症状、検査・診断、治療の項目ごとにまとめられています。
外耳道内の空気圧を変化させて鼓膜の動きを調べる検査です。
プローブチューブを外耳道に挿入し、ボタンを押すと自動的に記録が始まります。
プローブチューブが外耳道の大きさに合っていないと測定できないので注意しましょう。

★差し込み方のコツ★
まず、外耳道の大きさを確認し、合いそうな大きさのプローブチューブを選びます。(これは慣れ!)
挿入する時に、耳介を手前に引っ張って、外耳道をまっすぐ伸ばします。そうすると失敗しないで測定できます。

ティンパノグラムとは
ティンパノメトリーで検査をして得られる曲線のこと
詳しく説明すると、
外耳道圧を連続的に変化させている間の探索音の音圧レベルを測定して得られる曲線。
外耳道圧の変化は200〜ー200mmH2Oまで。探索音は220Hz
両端では外耳道音圧は大きい(コンプライアンス小)
鼓室内圧と一致したときに外耳道内音圧は最小となる(コンプライアンス最大=ピーク)

結果の見方
ティンパノグラムの縦軸は縦軸は鼓膜の動きやすさ、横軸は外耳道圧を表しています。

 聴覚検査グラフティンパノメトリーチンパノメトリー   
A型:±100daPa以内でコンプライアンスが最大
  (正常・感音難聴)
As型:A型でピークが小さい
  (耳硬化症・アブミ骨癒着)
Ad型:A型でピークが大きい
  (耳小骨連鎖離断・鼓膜の萎縮)
B型:ピークが見られず平坦
  (滲出性中耳炎・癒着性中耳炎・鼓膜穿孔、耳垢栓塞)
C1型:ピークが陰圧側に偏っている(-100daPa以下)
  (鼓室内陰圧・耳管狭窄症・滲出性中耳炎)
C2型:ピークが陽圧側に偏っている(100daPa以上)
  (鼓室内陽圧)


アブミ骨筋反射

ティンパノメトリーと一緒に検査できます。
90〜100dB以上の大きな音が聞こえるとアブミ骨筋が収縮し耳を守る反射を利用した検査です。
アブミ骨の可動性を検査します。 アブミ骨筋は顔面神経支配のため、顔面神経麻痺の検査にも利用されます。(鼓膜張筋は三叉神経)

右顔面神経麻痺
同側刺激  右反射:(-)、左反射:(+)
反対側刺激 右反射:(-)、左反射:(+)
右脳幹障害
同側刺激  右反射:(-)、左反射:(+)
反対側刺激 右反射:(-)、左反射:(+)
正中部の脳幹障害
同側刺激  右反射:(+)、左反射:(+)
反対側刺激 右反射:(-)、左反射:(-)
右聴神経腫瘍・右聾
同側刺激  右反射:(-)、左反射:(+)
反対側刺激 右反射:(+)、左反射:(-)


ふわぷか時計

ABR(聴性脳幹反応)

他覚的聴力検査(被験者が反応しなくても自動的に聴力検査ができる)の1つです。
乳幼児の検査、聴神経腫瘍・脳死の判定などに利用されます。
成人の場合は体を動かさないようにしていれば睡眠時でも覚醒時でも良いですが、乳幼児は動いてしまうので睡眠時に検査します。
クリック音を500〜2000回聞かせ、10msec以内の蝸牛から内側膝状体までの反応を記録します。
X波が観察されやすいので、聞こえているかどうかの指標となります。
電極は、頭頂部・乳突部・前額中央につけます。
各波の起源
T波:蝸牛神経(聴神経)
U波:蝸牛神経核
V波:上オリーブ核
W波:外側毛体核
X波:下丘
Y波:内側膝状体



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