マスキング

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聴覚系を覚えよう検査

耳の解剖など、10個のカテゴリーの問題が入っています。

マスキングは、純音聴力検査の中でも特に分かりにくい部分だと思うので、絵に描いてまとめてみます。

マスキングについて書いて書いてある本は、、
とか とか  読んでみてください。

マスキングの方法は色々ありますし、被験者によっても変わるので、1つの考え方、理解のきっかけとして見てください。


音の聞こえ方と、絵の説明
外からの音(@)は、外耳道→中耳を通って内耳(A)に伝わり、さらに電気信号となって脳(B)に送られ、知覚されます。
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このどこかが障害されると難聴になります。

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音のレベルは表し方が色々あり、図の、外からの音@はdBnHL、脳での音BはSLで表してあります。
dBnHL:オージオグラム上での音の大きさ。
SL:個人個人の閾値上の音の大きさ。 例)閾値が30dBの場合、dBnHLが50ならSLは20

また、基本的な知識として、0dBでも音はでています。
オージオグラムの0dBは、正常聴力の人がやっと聞こえる大きさとなっています。
そのため、−5dBも小さな音が出ていて、まれに聞こえる人もいます。

閾値上0dBは小さい音で聴こえていて、聴力検査で「聴こえた」と反応するところです。
なので、AやBに0と書いてあっても聴こえていると考えてください。
聴こえない場合は「×」にします。

純音はピンク、マスキングはで表しています。


難聴の種類
下の3つの図は、どれも閾値が40dBですが、どこに原因があるのかで難聴の種類が変わります。


外耳から中耳の間の何らかの原因による難聴です。
この図の場合、外からの音(50dB)が内耳に届くまでの間に(40dB)減ってしまい、10dBになってしまいました。
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内耳から脳までは正常なので、そのまま10dBとして認識されます。


内耳から脳の間に原因がある難聴です。
この図では、外からの音(50dB)が内耳に届くまでは問題がなく、50dBで伝わってきました。
しかし、その後脳で知覚されるまでの間に障害があり、10dBとして認識されました。


伝音難聴、感音難聴の両方が混ざった難聴です。
外からの音(50dB)外耳から内耳までの間に20dB、減ってしまい、内耳の時点では30dBです。
そして、内耳から脳までも障害があったため、さらに20dB減少し、最終的に10dBとして認識されます。

実際のオージオグラムはこのようになります。



耳鼻咽喉科疾患ビジュアルブック
 耳鼻咽喉科疾患ビジュアルブック

カラー写真・イラスト入りでわかりやすいです。
1つ1つの疾患について、原因、病態、症状、検査・診断、治療の項目ごとにまとめられています。
陰影聴取
マスキングをする上で、理解しておきたいのが陰影聴取です。
ヘッドホンから出た音が反対側の耳から聞こえてしまうことをいいます。

気道の場合、反対の耳に伝わる間に50〜60dB小さくなります(両耳間移行減衰量)。
骨導の両耳間移行減衰量は0〜5dBで、ほとんどそのままの大きさで反対の耳にも音が伝わってしまいます。
そのためマスキングが必要なのです。


気道聴力検査のマスキング
両耳間移行減衰量は50で考えます。
気道聴力検査では、左右差40dB以上がマスキングの目安です。

ここでは、気道聴力閾値が、右:70dB、左:10dBの場合で考えてみます。
左右差が60dBあるので、右耳を検査する場合にマスキングが必要です。

まず、マスキングをしなかった場合はどうなるかというと、60dBの時に音が聴こえてしまいます。

このように、右耳は閾値が70dBのため音は聴こえないですが、左耳からの陰影聴取によって音が聴こえます。

次は、同じ60dBですが、左に60dB(実効マスキングレベルを50にするため)のマスキングをしてみます。
実効マスキングレベルとは、実際に聴こえているマスキングの大きさのことで、「マスキングの大きさ−閾値」です。
実効マスキングレベルを50にするためには、「閾値+50」の大きさでマスキングをします。
純音はピンク、マスキングはで表しています。


右耳は、純音(60dB)と、左のマスキングが伝わってきた音(10dB)がありますが、どちらも70dBより小さい音のため聴こえません。
左耳は、伝わってきた純音(10dB)がマスキング(60dB)に消されたので、聴こえる音はマスキング(50dB)だけになりました。


60dBのマスキングをしたまま、純音の大きさを70dBにしてみます。

すると、左耳はマスキングの50dBのままですが、右耳から純音が聴こえるようになりました。

マスキング無しの場合は、先に左耳から聴こえるため閾値が60dBとなってしまいますが、実際の右耳の閾値は70dBということになります。


骨道聴力検査のマスキング
骨導の場合は両耳間移行減衰量が0〜5dBなので、左右差がなくてもマスキングが必要です。
ここでは、両耳間移行減衰量は0dBとします。

気道・骨導ともに閾値が、右:70dB、左:10dB(感音難聴)の場合で考えてみます。

右耳の場合
骨導で左右差がある場合は特に、マスキング不足に気をつけましょう。

マスキング不足の例

右側の骨導端子から60dBの音を出し、左耳に50dBのマスキングをした場合です。
骨導端子からの音は、両方の内耳に60dBのまま伝わります。
マスキングは50dBなので、純音の方が10dB大きく、左の内耳には60dBの純音と50dBのマスキングが届いています。
感音難聴なので、右耳は−70dBされるため音は聴こえません。左耳は−10dBされ、50dBの純音と40dBのマスキングとして知覚されます。

マスキングの目的は左の純音を消すことですが、この場合はマスキングが小さいため純音が聴こえてしまっています。
これがマスキング不足です。

マスキングの大きさを80dBにしてみると、下の図のようになります。

右耳は変わらず音は聴こえません。
左耳は、純音(60dB)がマスキングの音(80dB)にマスクされ、マスキングの音だけが聴こえるようになりました。


マスキングは80dBのまま、純音を70dBにします。

左耳は、純音を70dBにしてもマスキングの80dBより小さいためマスクされます。
右耳は、内耳には純音の70dBと、マスキングの陰影聴取の30dBが伝わっています。
そこから70dB引かれ、純音だけが聴こえます。

これで、右耳の閾値が測定できました。


左耳の場合
左耳は、マスキングをしなくてもよいです。

左の骨導端子から10dBの音を出すと、両方の内耳には10dBのまま伝わります。
左耳はそこから10dB引かれ0dBとなり、ちょうど閾値の大きさで聴こえます。
右耳は70dB引かれるため、マスキングをしなくても音は聴こえません。
マスキングをしていたとしても70dB未満の場合は聴こえないため、マスキングの必要がないのです。


骨道聴力検査(A-B gapがある場合)のマスキング
A-B gap(気骨導差)がある場合は少し複雑になります。

ここで理解しておきたいのは、気道閾値と骨導閾値の違いです。
気道閾値は、ヘッドホンから出た音で測定する閾値で、外耳から脳のどこに障害があるかは分かりません。
骨導閾値は、骨導端子から内耳に直接音を伝えるため、内耳から脳に伝わるまでに障害があるかどうかがわかります。
つまり、気道閾値の低下は外耳から脳までのどこかに障害があり、 骨導閾値の低下は内耳から脳の間に障害がある(感音難聴)ということを表しています。
なので、気道閾値から骨導閾値を引いた値が外耳から内耳までに障害された分(伝音難聴)の値となります。



上の図は、気道閾値は両耳とも50dB、骨導閾値は右:30dB、左50dBの人で、図Aはヘッドホンから(気道)、図Bは骨導端子から(骨導)純音を出した場合を表しています。
Aの場合は、70dBの音がどちらの耳も20dBの音として認識されます。
Bでは70dBの音が、右耳は40dB、左耳は20dBの音として認識されます。
右耳の20dBの差は、外耳から内耳までの間に原因があり、それが気道閾値と骨導閾値の差20dBに表れています(A-B gap)。


ここからは、
気道閾値 右:40dB、左:30dB
骨導閾値 右:10dB、左:20dB として考えます。

右耳の場合
マスキング不足やオーバーマスキングにならないように、マスキングの大きさを決めます。
純音が閾値である10dBの時に、マスキングを70dBにしてみました。

純音は両方の内耳に10dBで伝わります。
左耳は、マスキング70dBがまず10dB引かれ(気道閾値30dB−骨導閾値20dB)、60dBが内耳に伝わり、純音をマスクします。
そこからさらに20dB引かれ(骨導閾値20dB)、40dBのマスキングが聴こえます。
右耳は、外耳の入り口には20dBのマスキングが伝わっていますが、30dB引かれるため(気道閾値40dB−骨導閾値10dB)内耳には伝わりません。
そのため、内耳の時点で純音10dBのみとなります。
その後10dB引かれ(骨導閾値10dB)、知覚される音は0dBとなり、閾値が測定できました。

マスキングを90dBにしてみます。

右耳の、陰影聴取により、純音が右耳から聴こえるマスキングの音と同じ大きさになり、マスクされてしまいました。
70dBのマスキングでは純音が聴こえていましたが、90dBにしたことによりマスキングの音しか聴こえなくなってしまいました。
このように、検査している耳(検耳)の純音をマスキングが消してしまうことをオーバーマスキングといいます。


左耳の場合

純音が20dBのときに、マスキングを70dBにすると、上の図のようになります。
右耳の純音はマスクされます。
左耳は、伝わってきたマスキングの音は20dBで気道閾値より小さいため知覚されず、純音のみが閾値の大きさで聴こえます。


マスキング不足

もし、マスキングが40dBだった場合、右耳の純音の方が大きくなり、純音が両方の耳から聴こえてしまいます。

オーバーマスキング

もし、マスキングが90dBだった場合は、純音が陰影聴取のマスキングの音によってマスクされてしまいます。



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